## 箱根、また来てしまった
正直に言うと、箱根は「観光地すぎる」と敬遠していた時期がある。新宿から特急ロマンスカーで85分。近すぎて、なんとなく軽く見ていた。でも実際に一人で泊まりに行った秋の朝、芦ノ湖の霧の中を歩いていたら、そういう先入観がすっと消えた。
箱根温泉は、神奈川県足柄下郡箱根町に点在する温泉群の総称だ。強羅、宮ノ下、湯本、大涌谷——それぞれが源泉を持ち、泉質も雰囲気もかなり違う。富士箱根伊豆国立公園の中にあるから、山と湖と温泉が一度に味わえる。ただ、広い。一日でぜんぶ回ろうとすると必ず失敗する。
この記事では、日帰りか1泊で来る一人旅の人向けに、「欲張らない1日コース」を提案したい。移動時間も含めて現実的に組んだつもり。
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## 朝:08:47発のロマンスカーに乗る
新宿駅から小田急ロマンスカーMSE(確か「ふじさん」号か「はこね」号、出発前に必ず時刻表を確認してほしい)に乗る。08:47発あたりだと、箱根湯本には10時過ぎに着く。この時間帯が個人的にちょうどいい。早すぎず、観光客の波にも少し先行できる。
料金は、新宿〜箱根湯本の乗車券+特急券で片道およそ2,200円前後(変動するので公式サイトを要確認)。普通の小田急線で行くこともできるけど、所要時間が倍近くかかる。ロマンスカーの展望席(最前列)は早めに埋まるので、前日までに予約を。
**箱根湯本駅**に降りたら、まず荷物をコインロッカーに預ける。駅構内に複数あって、料金は400〜700円程度。一人旅は身軽が基本。
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## 午前:湯本を歩いて、最初の一湯
湯本の商店街は、正直、土産物屋が密集していてやや混雑する。でも、朝10時台なら比較的静かだ。湯もち(箱根湯本の定番和菓子)を1個だけ買って食べ歩くのが、個人的な楽しみ方。だいたい1個150〜200円くらい。
最初の温泉は、**湯本富士屋ホテル**の日帰り入浴か、**天成園**を勧めたい。天成園は立ち寄り湯として開放されていて、料金は確か1,600円前後(変動あり、公式サイトで確認を)。露天風呂からの山の眺めがある。タオルは持参するか、現地でレンタルできる。
入浴時間は30〜40分で十分だと思う。長居したい気持ちはわかるけど、この後も動くので。
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## 昼:箱根登山鉄道に乗って強羅へ
湯本から**箱根登山鉄道**に乗る。これが、この路線を知っている人には「当然」だが、初めての人には驚くほどよくできた鉄道旅になる。
急勾配をスイッチバックしながら登っていく。車窓から見える紫陽花(6月下旬〜7月が見頃)は有名だけど、秋の紅葉の時期(11月上旬〜中旬ごろ)もかなりいい。乗車時間は湯本〜強羅で約35分。310円(確か、念のため確認を)。
**強羅駅**に着いたら昼食。駅周辺にはいくつかカフェや食堂がある。私が行ったのは、小さな蕎麦屋で(店名は失念してしまった、すみません)、天ざる蕎麦が1,300円くらいだった。観光地にしては良心的な値段だと思う。
まあ、強羅は食事の選択肢が湯本より少ないのが正直なところ。事前に調べておいた方がいい。
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## 午後:大涌谷か、芦ノ湖か
午後はルートを二択にしたい。
**選択A:大涌谷ルート**
強羅から**箱根ロープウェイ**に乗って大涌谷へ。所要時間は約15分。ロープウェイ代は往復で1,600円前後。大涌谷は活火山の噴気孔が見られるエリアで、硫黄の匂いが立ちこめる。名物の黒玉子(温泉で茹でた真っ黒な卵)は1袋5個入りで600円。「1個食べると7年長生きする」という話、信じるかどうかは自由。
火山活動の状況によっては立入規制がかかることがある。これは本当に事前確認が必要で、箱根ロープウェイの公式サイトに最新情報が出ている。
**選択B:芦ノ湖ルート**
大涌谷の混雑が苦手な人(私も人が多い日は少し疲れる)は、強羅からバスか登山バスで元箱根・芦ノ湖方面へ向かう方法もある。芦ノ湖沿いをただ歩くだけで、思ったより気持ちいい。箱根関所跡(入場料500円)も見どころのひとつ。
晴れた日に富士山が見える確率は、正直そこまで高くない(特に夏場は雲がかかることが多い)。でも、見えたときの喜びは格別だ。
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## 夕方:もう一湯、そして帰路
夕方16時〜17時台に、箱根湯本近くに戻って二湯目に入る。これが一人旅の箱根の正しい過ごし方だと個人的には思っている。
**箱根湯寮**は、日帰り温泉施設として設備が整っていて使いやすい。岩風呂の個室貸切湯もあるが(1室50分3,000円前後〜)、一人なら大浴場で十分。入浴料は1,500円前後(変動あり)。
湯上がりに、駅前で**箱根ビール**(缶で売っている、1本700円くらい)を買って飲む——これは夏限定の楽しみ方だけど、妙においしい。
帰りのロマンスカーは、18時台か19時台を予約しておくと安心。混む時期(ゴールデンウィーク、紅葉シーズン)は特に早めに座席を確保してほしい。
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## 1日の予算目安
| 項目 | 金額目安 | |---|---| | 新宿〜箱根湯本 往復(ロマンスカー込み) | 約4,400円 | | コインロッカー | 400〜700円 | | 日帰り入浴(2回分) | 約3,000〜3,500円 | | 箱根登山鉄道(湯本〜強羅) | 約620円(往復) | | 大涌谷ロープウェイ(往復) | 約1,600円 | | 昼食 | 1,000〜1,500円 | | 食べ歩き・お土産など | 1,000〜2,000円 | | **合計(概算)** | **約12,000〜14,000円** |
これはあくまで目安。宿に泊まるなら話は別で、1泊2食付きの旅館は安くても15,000円〜、よい宿だと3〜5万円台になる。
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## 実際に行く前に確認してほしいこと
- 大涌谷の立入規制(火山活動の状況次第で変わる) - ロマンスカーの座席予約(特に土日祝、紅葉・GW期間) - 日帰り湯の営業時間(施設によって最終受付が16時や17時のところもある) - 天気予報(山の天気は変わりやすく、午後から霧が出ることが多い)
そういえば、箱根は交通系ICカード(Suica、PASMOなど)が使える範囲と使えない範囲が混在している。小銭は少し多めに持っていくといい。
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## 最後に、ひとつ聞いてもいいですか
日帰りで箱根に来る人に毎回思うことがある。行程を詰め込みすぎて、温泉に入る時間が30分しかない——そういう旅の仕方、もったいなくないだろうか。
私が初めて箱根に「ちゃんと来た」と感じたのは、予定をひとつ減らして、露天風呂で空を見ていた時間だった。大涌谷も行かず、芦ノ湖も素通りした。でも、それで十分だったと今でも思う。
あなたが箱根で何を優先するか——そこから旅の計画を組んでみてほしい。